『院長先生って、普段なにしてるんですか?』
診療室ではだいたい白衣を着ていますが、白衣を脱ぐと意外といろいろやっています。今日は病気の話をいったん休んで、永福町駅前みんなのクリニック院長・奥村尚威の“取扱説明書”を書いてみます。
私は小児外科を出発点に医師としての仕事を始めました。小さな子どもの手術や、保護者の方が強い不安を抱えている場面に向き合う仕事です。
その経験から今でも診療で大切にしているのは、『病名だけを見るのではなく、その人が何に困っているのかを見る』ことです。
現在は内科・小児科・外科・小児外科を掲げています。『これは何科ですか?』と患者さんが迷う症状ほど、まず相談してもらえる町医者でありたいと思っています。
振り返ると、私はかなり“寄り道型”の人間です。
何でも最短距離で器用に進めるタイプではありません。うまくいかなければ考え直す。失敗したらもう一回やる。分からなければ調べる。必要なら別の道から登る。
医師になってからもその癖は変わりません。
『できないなら、できる方法を探す』。
これは診療でも、クリニック経営でも、たぶん人生でも同じです。
診察が終わったあと、カルテを書いているだけかと思われるかもしれません。
ところが時々、私はドラムを叩いています。
医学とドラムにどんな共通点があるのか。
……正直、よく分かりません(笑)。
ただ、やってみると意外に共通点があります。頭で分かっていても身体が動かなければできない。テンポが崩れると全部崩れる。そして、地道な反復練習がものを言う。
これは診療技術にも少し似ています。
これも『なぜ?』と聞かれます。
私自身も、ときどきそう思います。
でも演技を学ぶと、声の出し方、表情、間の取り方、相手の言葉を受け取ることを嫌でも意識します。
医療は、説明の内容が正しいだけでは十分ではありません。こちらが一方的に話しても、患者さんに伝わらなければ意味がない。
そう考えると、演技の勉強も意外と診察室につながっているのかもしれません。
そしてアマチュア無線。
ここまで来ると『院長、趣味を増やしすぎでは?』と言われそうです。
無線の面白さは、見えない相手と電波でつながること。条件を整え、周波数を合わせ、相手の声を拾う。
考えてみると診療も、患者さんがうまく言葉にできない症状を拾う作業があります。
……さすがにこれは、少し無理やりでしょうか。
医師になって長く経っても、知らないことはなくなりません。むしろ勉強すればするほど、知らないことが増えていきます。
今も医学だけでなく英語の勉強を続けています。将来的には米国の臨床にも挑戦したいと考えています。
『もうこの年齢だから』という言葉は、なるべく使わないようにしています。
新しいことを始めるのに、ちょうどいい年齢はたぶんありません。
ここまで読むと、少し変わった医者に見えるかもしれません。
でも診療では、かなり普通です。
発熱、咳、鼻水、腹痛、頭痛、生活習慣病、お子さんの体調不良、けが、予防接種、健診など、日常の『これ、病院に行った方がいいのかな?』を診ています。
私は、患者さんにとって医療機関が『大きな病気になってから行く場所』だけではなく、『ちょっと聞いてみる場所』であってほしいと思っています。
小児外科から始まり、町医者になり、ドラムを叩き、演技を習い、無線をやり、英語を勉強している人。
こう書くと、ますます何者なのか分からなくなってきました。
ただ一つ共通しているのは、『面白そうなら、まずやってみる』ことです。
診療も同じで、決めつけず、まず話を聞くところから始めたいと思っています。
『ちょっと相談してみようかな』でも大丈夫です
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院長 奥村 尚威
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