秋になると、「ワクチン」「インフルエンザ」という言葉をよく耳にします。毎年のように使う言葉ですが、その由来をご存じでしょうか。実はどちらの名前にも、昔の人の暮らしや考え方が残っています。予防接種の季節に、ちょっと話したくなる言葉のトリビアをご紹介します。
ラテン語で、牛は「vacca」、牛痘(牛の病気で、天然痘に似たもの)は「vaccinia」といいます[1]。
昔は、「乳しぼりの仕事をする人は、なぜか天然痘にかかりにくい」という言い伝えがありました[1]。
イギリスの医師エドワード・ジェンナーは、1796年5月14日、牛痘にかかった乳しぼりの若い女性の、手にできた牛痘のできもの(病変)から取ったものを、8歳の男の子に接種しました[1]。同じ年の7月、男の子に天然痘のもとを接種しても、病気は起こりませんでした[1]。
ジェンナーは、この新しい方法を、牛にちなんで「vaccination(ワクチン接種)」と名づけました[1]。1798年には、この研究を本にまとめて発表しています[1]。
「vaccination」は、もともと天然痘を防ぐ方法の名前でした。天然痘以外の病気にもこの言葉を使うようになったのは、フランスの科学者ルイ・パスツールによるものです[2]。
パスツールは1881年8月、ロンドンの国際医学会議で、この言葉を広い意味で使うことを述べました。それはジェンナーの大きな功績への敬意として、という趣旨でした[3]。
つまり、今のインフルエンザのワクチンも、名前をたどると、200年以上前の牛に行き着きます。そして1980年5月8日、世界保健総会は、世界から天然痘がなくなったと発表しました[1]。
インフルエンザの流行は、周期的にやってきます。16世紀のイタリアの占星家(星占いをする人)たちは、これを星や寒気の「影響(influence)」によるものと考えました[4]。これがインフルエンザの語源といわれています[4][5]。
イタリア語の「influenza」は、少なくとも1504年から病気の名前に使われていました[6]。英語に入ったのは1743年で、イタリアで始まった流行がヨーロッパに広がったころです[6]。
もとをたどると、ラテン語の「influere(流れ込む)」に行き着きます[7]。星や空から流れ込む見えない力が、病気をもたらす。昔の人は、そう考えていたのです[6][7]。
SNSで話題の人を指す「インフルエンサー(influencer)」。そのもとになった英語の「influence(影響)」も、同じラテン語から来た言葉です[7]。インフルエンザとインフルエンサーは、いわば言葉の親戚です。
日本では、その時々の流行や風俗を映して、はやりの病気を「〜風(かぜ)」と呼ぶことがありました[8]。たとえば1832年の「琉球風」、1850年の「アメリカ風」です[8]。
地名が呼び名になっていることから、流行が広がってくることを、人々も感じていたと考えられています[8]。
今では、インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる、のどや気管など、空気の通り道(気道)の感染症だと分かっています。一般のかぜとは分けて考えるべき、重くなりやすい病気とされています[4]。
厚生労働省は、インフルエンザワクチンには、発病の予防や、発病後の重症化や死亡の予防に、一定の効果があるとしています[9]。流行シーズンは例年12月〜3月で、流行シーズンを迎える前に接種することが望ましいとされています[9]。
星の動きは変えられませんが、ワクチンという備えは選べます。牛から始まった知恵を、今年も上手に使いましょう。
平日は、予約が取れなくても、ご家族そろってそのままお越しください(来院順でご案内)。土曜は予約制です。Web予約に空きがあれば、待ち時間を短くできることがあります。
当院では、インフルエンザの予防接種を、生後6か月のお子さんから大人、65歳以上の方まで、ご家族みんなで受けられます[11][12]。平日は予約・予約なしの両方に対応しています[10]。ご家族そろって、同じ日にお越しください[11]。
| 区分 | 平日(月〜金) | 土曜 |
|---|---|---|
| 大人・お子さん(注射) | 予約なしの受付は午前12:30・午後18:30まで[10][11] | 予約制。お子さんは、接種を受ける人数分の予約枠をお取りください[10][13] |
| 65歳以上の方(杉並区の定期接種) | 予約なしの受付は午前12:40・午後18:40まで[11][14] | 予約制[11] |
厚生労働省によると、注射のワクチンの主な副反応は次のとおりです[9]。
当日の発熱や強い体調不良などは診察時に確認し、医師の判断で接種を延期する場合があります[13]。
時間帯ごとの受け方は「仕事帰り・昼休みに受けるインフルエンザ予防接種」、予約なしの受診は「永福町で予約なしで行けるクリニック」、65歳以上で予診票が届かない方は「高齢者インフルエンザ予診票の記事」をご覧ください。
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