子どもが夜中に「ケンケン」「オットセイの鳴き声」のような咳をして、声もかすれているときは、クループ(急性喉頭気管炎)の可能性があります。多くはウイルスによる上気道の炎症ですが、腫れた空気の通り道が狭くなり、息を吸うときに高い音(吸気性喘鳴、ストライダー)が出ることがあります。唇が青い、呼吸が苦しそう、ぼんやりして反応が弱い、よだれが多く飲み込めない場合は、WEB予約を待たず119番へ連絡してください。
最初に確認:いま119番を呼ぶ目安
大声で泣かせたり、のどを無理にのぞいたりせず、子どもが楽に呼吸できる姿勢のまま救急要請してください。
クループは、声帯のある喉頭から気管にかけて炎症と腫れが起こる病気です。米国国立医学図書館のMedlinePlusでは、主な症状として犬が吠えるような咳、声のかすれ、呼吸のしにくさ、高い呼吸音が挙げられています。風邪のような鼻水や発熱から始まり、夜に悪化しやすいのが特徴です。6か月〜3歳ごろに多い一方、それ以外の年齢でも起こります。
ただし、咳の音だけでクループと決めることはできません。気道の異物、アナフィラキシー、喉頭蓋炎などでも呼吸音が変わることがあります。突然始まった、顔や首が腫れた、じんましんがある、よだれが増えて飲み込めないといった場合は、別の緊急疾患も考えて行動します。
受診の急ぎ方を考えるときは、咳の回数よりも、落ち着いているときの呼吸を見ます。Royal Children’s Hospital Melbourneの診療指針では、安静時に吸気性喘鳴が続く、胸がへこむ、顔色や意識が悪いことなどを重症度判断の重要な要素としています。音が小さくなっても、ぐったりして呼吸が弱くなっている場合は改善とは限りません。
| 状態 | 行動の目安 |
|---|---|
| 安静時にも高い呼吸音、胸がへこむ、息が苦しそう | 速やかに救急受診。悪化、顔色不良、反応低下があれば119番 |
| 泣いたときに音が出るが、落ち着くと消える | 同日中に医療機関へ相談。夜間・休日は#8000や#7119も利用 |
| 特徴的な咳と声がれのみで、安静時の呼吸は楽・水分もとれる | 子どもを落ち着かせて観察し、診療時間内に小児科へ相談 |
| 生後6か月未満、基礎疾患がある、診断がはっきりしない | 低いハードルで早めに医療機関へ相談 |
判断に迷う場合、東京都では救急相談センター#7119、子どもの症状は#8000(こども医療電話相談)も利用できます。明らかな呼吸困難があるときは電話相談より119番を優先してください。
「冷たい外気を吸わせれば必ず治る」「加湿器だけで治る」など、一つの方法に頼らないでください。楽になったように見えても、安静時の呼吸音、胸のへこみ、顔色、意識、水分摂取を続けて確認します。
安全を確保できる範囲で、咳や呼吸音を10〜20秒ほど動画に残すと診察の参考になる場合があります。ただし、撮影のために救急要請や受診を遅らせないでください。
当院は小児科・総合診療科で、咳の経過、呼吸の様子、全身状態を確認し、クループを含む呼吸器症状の初期評価を行います。診察の結果、救急病院での検査・処置や専門的な対応が必要と判断した場合は、適切な医療機関への受診をご案内します。呼吸が苦しい子どもは予約枠を待たず、119番または救急医療機関へ連絡してください。
診療時間
平日9:00〜13:00・15:00〜19:00、土曜9:00〜13:00、土曜午後・日曜・祝日は休診です。
所在地:東京都杉並区和泉3丁目4−7(京王井の頭線「永福町駅」徒歩3分)
電話:03-3324-1000
WEB予約は通常診療の受診準備のためのものです。呼吸困難や顔色不良など緊急症状では予約完了を待たず119番へ。
クループは夜に悪化しやすく、いったん咳が落ち着いても再び高い呼吸音が出ることがあります。寝かせた後も、ときどき呼吸の速さ、胸のへこみ、顔色を確認してください。発熱中にけいれんした場合の対応は、当院の「子どもが発熱中にけいれん|5分を計って119番、家庭での対応」も参考になります。
「この咳の音で受診してよいのか」と迷う保護者の方は少なくありません。安静時の呼吸が保たれていても、初めての犬が吠えるような咳、声がれ、夜間の悪化がある場合は、診療時間内にご相談ください。
この記事は一般的な情報を提供するもので、個別の診断に代わるものではありません。症状が強い、悪化している、判断に迷う場合は医療機関へご相談ください。
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